05 Feb 出品数135%・売上115%へ。ブックオフEC改革
──SASAGE.APP × グラムスが実現した“現場に定着するSaaS”

リユース事業を全国で展開するブックオフコーポレーション株式会社。同社では、都内23区を中心に店を構える買取専門店「Rehello by bookoff」(旧名称:総合買取窓口)の拡大に伴い、買取店からECへ流入する商品量が年々増加していました。
こうした状況を受け、業務フローそのものを見直す必要性を感じ、改善に着手します。単なる人手補填ではなく、ささげ業務の負担軽減と出品精度の両立を目指し、導入されたのが「SASAGE.APP」でした。
さらに、ツール導入にとどまらず、現場に入り込みながら改善を高速で回すグラムスの保守・カスタマイズ開発支援を組み合わせることで、業務の標準化と効率化を実現しました。
導入から1年。同社ECは 出品数135%、売上115% と大きく伸長。現場では“改善が当たり前になる文化”が根づき、アルバイトスタッフから改善提案が自然に生まれるほどの組織変革も起きています。
なぜ同社はグラムスを選んだのか。その選択はどのように現場を変えたのか。
リユースECセンター運営部長の沖山 晃氏、販売企画グループの片吉 徹氏、そしてグラムス 代表取締役の三浦 大助に、成功の背景を聞きました。

写真左:販売企画グループ 片吉 徹氏、写真中央:リユースECセンター運営部長 沖山 晃氏、写真右:グラムス 代表取締役 三浦 大助
多ジャンルの出品に耐える柔軟性と、現場を理解するPM──SASAGE.APPを選んだ理由
――まず、SASAGE.APPを検討する前、出品業務ではどのような課題を抱えていたのでしょうか。
沖山氏:私が着任した2年前、総合買取窓口の出店加速に伴い、ECへ流入する商品量が確実に増えていました。
一方で、撮影・採寸・原稿作成・登録などの出品工程は属人化し、管理工数も増加。
対応策として見えていたのは人を増やすことだけ。しかし採用・トレーニング・倉庫拡張にはコストがかかり、このまま人数で押す運用を続けるのは限界があると感じていました。
――そのような背景の中で、SASAGE.APPを選ばれた理由を教えてください。
沖山氏:グラムスさんとは以前から一定のお付き合いもあり、前任の責任者からも勧められていたため、候補の一つとして検討を進めていました。
当社はファッション・ホビー・家電など取り扱い商材が広く、多ジャンルの商品に対応できるカスタマイズ性が必須条件でした。その点で、SASAGE.APPは柔軟性が高く、当社の出品フローに合わせて最適化できる点が魅力でした。
最終的な決め手は、商談時に感じたプロジェクトマネージャーの現場感の高さです。
営業と開発の温度差がなく、「どうすれば現場のスタッフが少しでも早く、楽になるか」を真剣に考えてくれていることが伝わりました。
『この人たちは現場と同じ目線で改善してくれる』そう確信できたことが導入の決め手になりました。

“導入が大変”を覆した、現場起点のプロジェクト推進
――導入時、現場では新しいツールへの抵抗はありましたか。
片吉氏:もちろん不安の声はありました。当社は勤務歴の長いスタッフが多く、30年近く働いている方もいます。それだけ現場を支えてくれている一方で、新しいツールや画面構成に慣れるまで時間がかかるケースがあります。
「スマホの文字が見づらい」「操作が難しそう」という意見もありましたが、実際に触ってみると、SASAGE.APPはマニュアルなしでも直感的に操作できるという声が多く、思っていたよりスムーズに受け入れられました。
以前はスマートフォンとパソコンを行き来して作業する必要がありましたが、SASAGE.APPではスマホだけで出品作業が完結するようになり、この点が現場の負担軽減に大きく貢献しました。
昨年の8〜9月に本格稼働し、10月には出品数が従来の約1.5倍にまで増えています。
操作への不安よりも、使うと明らかに効率が上がるという実感が広がったことで、抵抗感は自然と払拭されていきました。
――導入を進める中で、グラムスのサポートはいかがでしたか。
片吉氏:導入時に大変だったのは、既存の出品フローとSASAGE.APPの仕様をすり合わせ、何を残し、何を変えるかを一緒に判断していく工程でした。
しかしグラムスさんは、こちらが相談するとその場で解決策を提示してくれるんです。
多くの企業は「持ち帰って開発に確認します」という中で、「こうすれば実現できます」「これはすぐ対応できます」と即答してくれるのは助かりました。
会話そのものが改善につながるスピード感で、導入フェーズのストレスがほぼありませんでした。
三浦:グラムスでは、SASAGE.APPをSaaSとして提供するだけでなく、保守・カスタマイズ開発支援サービスをご契約いただいている企業には、プロジェクトに伴走しながら現場の改善を継続するというスタイルを取っています。
企業ごとに商材もオペレーションも異なるため、自社で行っているささげ代行サービスから得た知見を元に、プロジェクトに伴走し、動線・撮影環境・作業のクセを直接見たうえで改善しています。
当社のプロジェクトマネージャー達も現場に伺いながら、「この工程は1秒短縮できる」「この項目はまとめたほうが迷わない」といった細かい改善を積み上げ、SASAGE.APP自体もバージョンアップしてきました。
また、AIによる自動化も進めていますが、最も重視しているのは初見のアルバイトさんでも迷わず使えるUI・UXです。どれだけ高度な機能があっても、誰も使えなければ意味がありません。
現場に着目し、成果が出続ける状態をつくることが私たちの価値だと考えています。
沖山氏:プロジェクトを進める中で特に印象的だったのは、グラムスさんのPM(プロジェクトマネージャー)がこちらのつまずくポイントを事前に予測し、「次にこういう問題が起きそうなので、こう直しておきますね」と先回りで改善案を出してくれる点でした。
現場の実態を理解しながら、開発の視点でも話ができるPMは少なく、その両方を兼ね備えたうえでプロジェクトを回してくれるのは非常に希少です。だからこそ改善サイクルが途切れず、短期間で運用を立ち上げることにつながったのだと思います。

1年間で出品数135%・売上115%。成果と現場の変化
――導入後、どのような成果が得られたのでしょうか。
沖山氏:導入後の最も大きな成果は、出品数が135%まで増加したことです。
また、売上も導入1年で115%に到達しています。
出品工程の標準化が進んだことで、作業スピードと精度が安定し、売上改善にもつながりました。
片吉氏:トレーニングが非常にしやすくなったことも大きな成果です。以前はスタッフごとに作業方法が異なり教育工数がかかっていましたが、SASAGE.APP導入後は操作が一本化され、初見のアルバイトでもすぐ戦力化できるようになりました。
また、現場の声がそのまま改善につながる点も成果に直結しています。
たとえばアルバイトから「商品のシミの有無を手入力ではなくチェック式にしたい」という声があり、その要望を伝えたところ、3日ほどで機能が実装されました。これにより作業効率が上がり、ミスや手戻りも減っています。
三浦:現場で改善を続ける中で強く感じるのは、教育コストとやり直しコストこそ、最も大きな隠れコストだということです。現場の意見を即改善につなげるのは、このコストを最小化するためでもあります。
――組織としても変化があったと伺いました。
片吉氏:導入前は、アルバイトから意見が出ることは多くありませんでした。
しかし、グラムスさんが現場の声を拾ってすぐ改善につなげてくれたことで、「意見すれば改善される」という実感が定着し、スタッフからも提案が生まれるようになりました。
その結果、アルバイトスタッフからも「こうしたほうが早い」「この表示だと迷わない」などの提案が自然に出るようになりました。
今では、改善が当たり前の状態で業務が回るチームになったと感じています。

AIが“商品の伝わり方”を変える。次の改善領域へ
――どんな企業にSASAGE.APPをおすすめしたいですか?
片吉氏:商品を見てゼロベースで情報を入力していく運用をしている企業には特に効果が高いと思います。中小企業を中心に、「専用のシステムが整っていない」「商品をどこに分類するかの判断から始まる」という現場は非常に多いはずです。
扱う商材が多い企業、出品フローが人に依存してしまっている企業、そして業務を仕組み化したいと感じている企業には特におすすめしたいです。
――今後、取り組んでいきたいことはありますか。
片吉氏:現在、グラムスさんが提供するAI着用画像の活用を進めています。どのカテゴリーが最適かなど試行錯誤中ですが、5万円以上の高価格帯の商材から試験的に導入を進めています。
実際に試してみたところ、AI着用画像を掲載した商品がすぐに売れたケースもあり、一定の手応えは感じています。
沖山氏:中古市場ではまだ導入企業が多くないため、今のうちに取り組む価値は大きいと思います。
技術の進化スピードは驚くほど速く、AI着用画像は今後スタンダードになると感じています。だからこそ、AIは早めに着手しないとすぐ当たり前になるという感覚があります。
お客様が商品をよりイメージしやすいように、どういう情報をどう届けるかは今後さらに重要になる領域です。

――今後グラムスをパートナーに、どんな組織をつくっていきたいですか?
沖山氏:私たちは本来、小売業としてお客様が何を求めているのかを深く理解し、
それをどう提供するかに集中すべき存在だと考えています。
ただ実際には、やりたいことがあってもどう実現するかがわからない場面が多く、その部分をグラムスさんに支えていただいています。
「こんな便利な仕組みができます」「こうするともっと良くなります」といった提案は非常にありがたく、実際に商売のあり方そのものが変わりつつある実感があります。
これからも、お互いの強みを掛け合わせながら、より良いEC体験をお客様に届けられる組織を目指していきたいです。