ささげ業務とは?リユースECの撮影・採寸・原稿を効率化するコツを解説

EC(ネット通販)に商品を掲載するには、商品写真を撮り、サイズを測り、商品説明文を書く必要があります。
この3つの作業をまとめて「ささげ業務」と呼びます。
リユース業界では、ささげ業務の効率化が売上・在庫回転・人件費すべてに直結する重要テーマです。
本記事では、リユースECのささげ業務の全体像、課題、効率化の3つについて解説します。

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ささげ業務とは

ささげ業務とは、EC出品に必要な「撮影」「採寸」「原稿(商品説明文作成)」の3工程の総称です。
3つの頭文字「さ・さ・げ」を取って「ささげ」と呼ばれます。

ささげはECサイトでお客様の購入意思決定を促す「デジタル接客」の基盤です。
実店舗であれば店員が商品を手渡しで説明できますが、ECでは写真・サイズ・文章だけで購入者の不安を解消する必要があります。
ささげ業務の品質が、そのまま購入率(CVR)と返品率を左右します。

なぜ今、ささげ業務の効率化が重要なのか

2024年リユース市場は3兆円を突破し、2030年には4兆円に拡大すると予測されています。
日本の中古品が「USED IN JAPAN」として海外でも需要が高まっていること、国内でもインフレに伴う中古品の需要が高まっていることなども後押しとなっているものと思います。
実際にリサイクルショップなどを訪れてみると、多くの方が中古品の売り買いに来店されており、週末には買取査定で2時間待ちになるような人気ぶりです。
オークション会場でも海外のバイヤーが大量の中古品を仕入れていく光景も見られます。

市場が活発な一方、リユース業界の有効求人倍率は3.15倍(2024年12月時点)と人材不足が深刻です。
EC部門では「仕入れは出来ているのにEC出品が追いつかず、滞留在庫が増える」という問題が発生し、結果店頭販売やBtoBでの卸売りを行い、販売の機会損失が発生している状況です。


店頭販売の場合、商品は商圏内の顧客にしか訴求できません。
BtoB販売の場合、1品あたりの利益はtoCと比較してどうしても低くなってしまいます。

市場がスケールし中古品の流通量が増えていく中で、ECをうまく活用できるかどうかが今後のリユース事業成長の鍵となります。

一点物の商材をいかに『標準化されたデータ』として扱い、人手不足の中でも高利益を生む仕組み化を構築できるか?
ささげ業務の効率化は、この構造課題の中核を担う取り組みです。

リユースささげの3工程

まずリユースECのささげ業務についておさらいしましょう。

商品の見た目を伝える作業です。
当たり前のことですが、商品画像がなければECで商品を販売することは出来ません。

まず、商品画像の良し悪しが売上を左右します。
但し、商品をただ綺麗に撮れば良いという訳ではありません。
リユース品は傷・汚れなどのコンディションも視覚的に伝える必要があります。
綺麗に撮影することに加えて、状態を正しく伝えることも意識しなければなりません。

また、新品の商品は1回撮影を行うと、その画像を使って同じ商品を複数個販売できます。
一方リユース品は1点物なので、1在庫につき1回撮影が必要となります。(全く同じ商品でもそれぞれ撮影を行う必要があります。)
つまり、リユースの商品撮影数は新品と比較すると圧倒的に多くなり作業負担が大きいのです。

新品の商品撮影とはアプローチが全く違うということを理解してください。

ECで商品を販売する上で商品サイズの掲載も必要となります。
商品カテゴリによっては採寸が必要ないものも一部ありますが、多くの商品でサイズの記載が必要です。

例えば、アパレル品は試着ができないため、肩幅・身幅・着丈・袖丈などの採寸値を掲載することで購入に繋がりやすくなります。
バッグやアクセサリーなどの服飾雑貨も身につけた時のイメージを膨らませるためにサイズ情報が参考にされます。
家具や家電も置きたい場所に設置できるがを判断するために商品のサイズ情報が必要となります。

ECサイトの商品ページにはタイトルや商品説明文が記載されていますが、この箇所の文章作成のことを指します。
商品のメーカー名、ブランド名、特徴・素材・サイズなどを文章で記載します。
商品の基本情報に加え、リユース品では「状態説明」(傷の有無、ランク評価、付属品など)の記載も必要です。

これはリユースに限った話ではないですが、原稿作成は商品ページにアクセスしてもらうためにとても重要な作業になります。
ECサイトで商品を購入する場合、多くの人は何かしらのキーワードを入力して商品を探します。
例えば本革のビジネスバッグが欲しい時、「ビジネスバッグ 本革」などと検索窓に入力します。
この時、商品タイトルや商品説明文にこれらのキーワードが入っていなければ、お客様は商品ページまで辿り着けません。
商品ページを見てもらうことができなければ、もちろん商品が売れることはありません。

原稿作成は実店舗でいうところの「お店に入ってもらう役割」も果たす重要な役割です。

リユースのささげ業務を効率化するコツ

前段で説明した通り、リユースのささげ業務は新品商品を販売する場合とは別のアプローチが必要となります。
時間をかけて丁寧にささげ作業を行えば商品は売れやすくなりますが、1在庫ごとに作業が必要なリユース品は、時間をかけた分だけコストがかかり、結果利益が少なくなってしまいます。
また、商品単価が低くなるほどコスト比率も上がります。

リユース商品は日々入荷する在庫をいかに効率よく低コストで出品していくかが鍵となります。
ここではリユースECでささげ業務を効率化する方法をご紹介します。

これはささげ業務に限ったことではないですが、人がわざわざやらなくて良い作業をシステムやテクノロジーを活用し、人的リソースを有効活用できる環境作りも大切です。
2026年現在、AIの活用がどの業界でも活発ですが、リユース業界も例外ではありません。

人材不足はこれから益々深刻化することが明らかです。少ないリソースでささげ業務を行える体制作りが絶対マストになります。

ささげ業務はテクノロジーで業務効率化できる箇所がたくさんあります。
例えば、商品画像の背景白抜きやトリミングなどの編集作業はAIなどによりほぼ自動化できます。
撮影した商品画像から商品情報を補完したり、商品の自動採寸も行うことも出来るようになってきています。

我々のささげの現場では積極的にAIを活用し、少人数でささげ業務が行えるオペレーションを構築しています。
現場を設けた当初はAIがまだ使えなかったので、作業スタッフだけで100名程度雇用して作業を行っていましたが、現在は半分程度の人数で同じ作業が行えるようになっています。
作業スタッフが少なくなると人件費はもちろんですが、スタッフの教育・マネジメントコストや福利厚生など副次的にかかるコストも激減します。
AIなどテクノロジーの活用には費用が必要となりますが、それ以上にコストカットが実現できます。

業務効率化のために是非テクノロジーを積極的に活用してください。

今行っている作業オペレーションを棚卸しし、見直しをしてみましょう。
1度棚卸しをしてみると「この作業はもう必要ないよね」「なんでこの作業やってたんだっけ?」みたいなことが割と見つかったりします。
また、80点のクオリティを及第点とすることで、省略できる作業もいくつか出てくるはずです。

作業の効率化を行う前に今やっている作業自体が本当に必要かどうかを再確認してみることも効率化に繋がります。

ささげ業務効率化の効果

これは我々の現場で実際に得た結果ですが、ささげ業務の効率化を進めた結果、撮影・画像加工で約70%、採寸で約67%、原稿作成で約50%の工数削減が実現できました。
合計工数でみると約62%、人件費等を含むコスト全体では約45%の削減ができています。
これはかなりインパクトのある数字だと思います。

また、「人を増やさず生産性を維持・拡大できる」体制が構築できていることも得られた大きな成果の1つです。
リユース市場が成長を続けている中で、その追い風に乗れるかどうかが今後事業の成長の鍵を握ります。
売れる商品はたくさんあるのに、売ることができないのはとても勿体無いことです。

リユースECを運営する上で、ささげ業務の効率化がもたらす効果は中長期的に見るととても大きいものと考えて良いでしょう。

効率化を進める際の注意点

ここまでの話で、早速効率化を進めてみようと思ってくださった方もいるかと思いますが、効率化を行う際の注意点を最後にお伝えします。

ささげ業務の効率化は1日では完結しません。
また、正直なところ簡単に行えるものでもありません。
やること自体はシンプルでさほど難しくないのですが、実際の現場で行ってみると思ったようにうまくいかないことが多いです。
我々はこれまで多くのリユース企業の業務改善をお手伝いしてきましたが、悔しいことにうまく行かずに頓挫したケースも数多くあります。

これについては別のコラムで詳しくお話ししようと思いますが、今回はこれだけ押さえてください。

・関わるメンバーが一丸となって効率化に取り組む

これができるかどうかがで効率化の成功率は大きく変わります。

まとめ

ささげ業務は、EC事業者にとって避けては通れない工程です。
一見地味な作業ですが、効率化の余地は大きく、業務全体に与えるインパクトも大きいです。
リユース事業を行っているとどうしても買取や販売などフロント側の業務に目が行きがちですが、バッグヤード業務に目を向けてみることも重要です。
是非これを機会にささげ業務の効率化も検討してください。

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